Open System Interconnection(OSI)とは?

OSIモデルは、異なるベンダーが開発した機器やプロトコルが互換性を持つようにするための標準化の試みであり、コンピューターネットワークの設計やトラブルシューティングの基盤として広く利用されています。

2024-02-15 - 18:45
2024-02-16 - 21:20
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Open System Interconnection(OSI)とは?
OSIモデルでは、通信に必要な機能を7つの階層に分けています。それぞれの階層は、特定の役割を持ち、上下の階層と連携して動作します。

Open System Interconnection(OSI)は、コンピューターネットワークにおける標準的な通信プロトコルのモデルです。このモデルは、通信プロトコルの機能を7つの階層に分割し、それぞれの階層が特定の役割を果たすように設計されています。

仕組み

以下にOSIモデルの構成と具体的な実用例を示します。

  1. 物理層(Physical Layer):物理層は、データの物理的な転送を担当します。この層では、データのビット列が信号としてネットワーク媒体に転送されます。例えば、イーサネットケーブルや光ファイバーケーブルなどのネットワーク媒体が物理層に該当します。

  2. データリンク層(Data Link Layer):データリンク層は、物理的なネットワーク媒体上でのデータの転送を制御し、エラーチェックやフレームの制御を行います。MACアドレスを使用してデバイスを識別し、データをフレームに分割して送信します。イーサネットやWi-Fiなどのデータリンクプロトコルがこの層に該当します。

  3. ネットワーク層(Network Layer):ネットワーク層は、データのルーティングやパケットの転送を担当します。IPアドレスを使用して送信元と宛先を識別し、最適な経路を選択してパケットを転送します。ルータがネットワーク層の機能を提供します。

  4. トランスポート層(Transport Layer):トランスポート層は、エンドツーエンドの通信を確立し、データの信頼性と整合性を確保します。TCPやUDPなどのプロトコルがこの層で動作し、データのセグメンテーション、フロー制御、エラー検出・修復を行います。

  5. セッション層(Session Layer):セッション層は、通信のセッション管理やデータの同期を行います。通信の開始、終了、途中での中断などの機能を提供し、データの送受信を同期化します。

  6. プレゼンテーション層(Presentation Layer):プレゼンテーション層は、データの表現形式の変換や暗号化、圧縮などの処理を行います。データの形式や構造を統一することで、異なるシステム間での相互運用性を向上させます。

  7. アプリケーション層(Application Layer):アプリケーション層は、最終的なユーザーアプリケーションと通信インターフェースを提供します。HTTP、FTP、SMTPなどのプロトコルがこの層で動作し、Webブラウジング、ファイル転送、電子メールなどのサービスを提供します。

OSIモデルは、各階層が独立して機能することで、異なるハードウェアやソフトウェア間での相互運用性を確保し、ネットワーク通信の効率と信頼性を向上させる役割を果たしています。実際のネットワーク通信では、OSIモデルの各層が相互に連携してデータの送受信を行います。

例えば、ウェブブラウジングの場合、アプリケーション層でHTTPプロトコルが使用され、ウェブページの要求やレスポンスが送受信されます。このHTTPデータは、プレゼンテーション層で必要に応じて暗号化や圧縮が行われ、トランスポート層でTCPプロトコルが使用されてデータの信頼性が確保されます。さらに、ネットワーク層ではIPアドレスを使用してデータの経路が決定され、データリンク層でフレーム化されたデータが物理層で実際にネットワーク媒体を通じて送受信されます。

このように、OSIモデルはネットワーク通信を効率的に管理し、様々なプロトコルや技術を統合して、シームレスな通信を実現します。

Open System Interconnection(OSI)とは

実例とプロトコル

OSIモデルの各レイヤーを実際の技術やプロトコルと結びつけて考えることで、この理論モデルがどのように実世界のネットワーク通信に適用されるかを理解することができます。以下に、OSIモデルの各レイヤーに対応する実例とプロトコルを紹介します。

  1. 物理層(Physical Layer)

    • 実例: イーサネットケーブル(CAT5, CAT6)、光ファイバー、無線通信(Wi-Fi、Bluetooth)
    • 技術: RJ45コネクタ、802.11無線規格
  2. データリンク層(Data Link Layer)

    • 実例: イーサネット(Ethernet)、PPP(Point-to-Point Protocol)、MAC(Media Access Control)
    • 技術: Ethernetフレーム、MACアドレス
  3. ネットワーク層(Network Layer)

    • 実例: IP(Internet Protocol)、ICMP(Internet Control Message Protocol)
    • 技術: IPアドレス、ルーティングプロトコル(OSPF、BGP)
  4. トランスポート層(Transport Layer)

    • 実例: TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)
    • 技術: TCPセグメント、UDPデータグラム、ポート番号
  5. セッション層(Session Layer)

    • 実例: NetBIOS(Network Basic Input/Output System)、SSH(Secure Shell)、TLS(Transport Layer Security)
    • 技術: セッションの確立、管理、終了
  6. プレゼンテーション層(Presentation Layer)

    • 実例: SSL(Secure Sockets Layer)、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)、JPEG、GIF
    • 技術: データ形式の変換、暗号化、圧縮
  7. アプリケーション層(Application Layer)

    • 実例: HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、DNS(Domain Name System)
    • 技術: Webブラウザ、メールクライアント、オンラインゲーム

これらの例を通じて、OSIモデルがネットワーク上でのデータの流れを理解し、診断するためのフレームワークを提供していることがわかります。各レイヤーが特定の役割を持ち、上位層へのサービスを提供することで、複雑なネットワーク通信プロセスを分解し、管理しやすくしています。

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